この度は、建物床下で発生した漏水について、修理のご依頼をいただきました。原因の特定が難しい場所でしたが、専門的な調査により漏水箇所を特定し、最適な方法で確実な復旧を実現いたしました。
ご依頼の背景・現場の状況
お客様より「水道メーターが回り続けている」「床下が湿っているようだ」とのご連絡を受け、現場調査を実施しました。
漏水箇所は建物の床下であり、配管が隠れているため目視での確認は不可能でした。放置すれば建物全体の湿気やカビの原因となるため、早急な原因特定と修理が必要でした。
採用した調査方法:音聴調査とトレーサーガス調査
床下の狭い空間で正確な漏水箇所を特定するため、当社では以下の専門的な調査方法を併用しました。
1. 音聴調査(おんちょうちょうさ)
専用の電子式漏水探索機を用いて、配管から漏れ出す水の微かな音を聴取しました。広範囲から大まかな漏水エリアを絞り込むのに有効です。
2. トレーサーガス調査
配管内に人体や環境に無害な特殊な混合ガス(トレーサーガス)を注入し、そのガスが床下の土壌やコンクリートの隙間から地上に出てくるのを専用のセンサーで検知しました。この方法により、音だけでは特定しきれないピンポイントの漏水箇所を特定しました。
施工内容:露出配管による確実な解決
精密な調査により漏水箇所は特定できましたが、床下での潜り込み作業による埋設管の修理は、作業効率や将来的なメンテナンス性を考慮すると最適ではありませんでした。
お客様と協議の上、**浴室・洗面所系統の給水・給湯管を、建物の壁沿いや天井裏を利用した「露出配管」**にて引き直す方法をご提案・施工いたしました。

